今回は、これまでのアニメや小説内の架空のロボットなどではなく、現用兵器である米軍戦車M3A1スチュアート軽戦車です。(現用といっても、第二次世界大戦中の戦車ですが。)
 今回は、実物が存在するので、インターネット上の画像をあさりまくりでの設計製作となりました。また、友人であるハリボテ再興プロジェクト代表の仲本氏にも資料を提供いただきました。 サイズは戦車のプラモデルでは一般的な1/35より一回り大きい1/25で、全長18cmサイズです。
今回に関しては、可動部はありません。
ただ、シャーシ、本体上面、砲塔、主砲操作室及び後部エンジン部を分割できるようにしたので、砲塔の回転は可能です。
分離できるようにしたのは、出来るだけ内部も立体化し、それらがよく見えるようにしたかったという狙いからです。
さて、いままでアニメ・ゲームの架空メカの立体化をメインにしてきたのに、戦車の立体化に踏み切った理由ですが、単に私が上坂すみれさんのファンで2016.1.6発売の2ndアルバム「20世紀の逆襲」初回限定版Cのジャケットイラストに惹かれて、これを立体化し、ライブの際に贈り物にしようというのが動機です。
なので、本ギャラリーではM3の作例紹介がメインですが、創作物的にはあくまで背景の一つに過ぎなかったりします。
それでは、シャーシ部分から。
 
シャーシ内部には、操縦士席、副操縦士席、操作レバー、ミッションボックス、ギアシャフトボックス、主砲砲弾庫、消火器などを立体化しています。これらは実物の内部写真がなかったので、ネット上で見つけたプラモの作例を参考にしています。当然、操縦レバー以外の操縦機器などやトランスミッション、エンジンもあるようですが、詳細が分からなかったのと、時間的な制約から割愛しています。
座席表面ですが、実機では硬質な合皮クッションぽかったのですが、作例では、ダイソーで売っていた手芸素材であるビロードシールを貼り付け、映画館のシートっぽくしました。
主砲砲弾庫内部の砲弾は、ダイソーで見つけた金の模造紙を丸めたものです。
内装品はネットで見つけたさびの浮いた金属画像や縞鋼板を部品面に印刷しています。
上坂さん向け仕様として、操縦席、副操縦席には上坂さんのポスター(絵柄はアルバム購入店舗特典ですが)を張りました。操縦士、副操縦士は、第一回革ブロ総決起集会ライブDVDから同盟員映像をキャプチャーし、そこから腕の向きなどを修正しての作成です。背中も正面映像からの画像修正です。
ちなみに、操縦席、副操縦席内部には小型の磁石、操縦士、副操縦士の腿裏にホッチキス針を組み込むことで、シートに乗員がうまく収まり、固定されるようにしています。
シャーシ後方には、エンジン装備用のハッチがあります。ヒンジ部分やその下のフック取り付けいたは立体化していますが、ハッチ自体は開きません。
シャーシ底面です。シャーシ外側のピンク色やまだら模様は、アルバムジャケットイラストのシャーシ部をスキャンしたものを加工して使っています。
実機でも、転輪の車軸収納スペースだと思われるふくらみがあるくらいで、あとは平面です。
なお、シャーシ前方に書かれている番号は、イラストと、イラストを描く際に参考にしたと目されるグランドパワー2009年11月号表紙を参考に再現しています。
履帯・輪転周りは、さすがに手間がかかりました。駆動輪の抜き部分で多少省略しましたが、それ以外はほとんど実機とおなじ構造を再現できたかと思っています。(といいながら、最後部の転輪の支持部やアームのデティールは、部品製作後に資料が出てきたりで、結果的に省略した形での仕上がりですが)
転輪は最外周部をグレーの画用紙で段差のあるリングを作り、そこに軸となる紙を入れ込んだ構造です。ただ、前方の転輪だけは円錐と歯車状の紙から構成されています。
 履帯は、履帯の模様を印刷した細長い上質紙を用意し、履帯の鉄板部に小さい厚紙を貼り付け、それを上質紙で覆って作成しています。上質紙中央に貼り付けた厚紙を左右から包む感じでしょうか。左右の履帯の作成だけで、丸1日かかっています。
なお、履帯、転輪とも動きません。また、カラーリングに関しては、イラストのスキャン画像を利用するのではなく、真似た色合いで塗るという方法で対応しています。なお、機体側面にあったフックのような部分も上質紙で再現しています。
次に、砲塔部分です。
M3は主砲が乗務員バスケットに据えつけられ、そこに円筒形の砲塔装甲がかぶせられている構造になっております。
作例では、主砲と側部機銃、砲手席と戦車長席を作成しました。主砲機関部はM3の中でもいろんな構造があるようで、今回の作例はその中の一例を採用しています。なので、側部機銃の有無や砲塔上部キューポラの有無と主砲機関部の構造はマッチングしていないかもしれません。
乗務員バスケット床面はさびのひどくなった縞鋼板写真をネットで探し用いています。実際には、砲塔回転のための機構や操作装置がありますが、詳細不明と時間不足で割愛です。
主砲と反対に設けたボックスは実機にはありません。本作例の砲塔部品と乗務員バスケットの固定をしやすくするためのもので、側部機銃の弾倉庫という体裁にしました。
砲塔前方のカバーですが、イラストは円に近い形状ですが、作例では、副機銃の配置を優先したので、横に長い楕円になってしまいました。
車体上部です。
基本的にはジャケットイラストを再現していますが、不明部分などはネット上の写真や雑誌、模型誌作例などを参照しながらの立体化です。
前方部はイラストどおりです。なお、素材ですが、本体はいつも使っている厚み0.2mm程度の厚紙で構成し、ライト周りやサイレン、ボンネットのリブなどの細かい部位は、上質紙で作成しています。
イラストでは、操縦席、副操縦席の窓は解放状態だったので、作例でもそれを再現しています。あとの画像でもわかりますが、乗員を乗せれば、正面からそれを見ることもできます。なお、窓を支えるつっかい棒を外せば、閉じることもできます。
車体側面装甲ですが、イラストでは隠れている部分なので、赤字でロシア語のスローガンを記入しました。右面は「生産!」「団結!」「反抑圧!!」というおなじみのスローガンです(正確には、「生産せよ!」「団結せよ!」「反抑制!!」ですが)。
ちなみに反対側にはアルバムタイトル「20世紀の逆襲」と記載しました。ただ、設計に使ったCADソフトでは、ロシア語フォントがなかったので、アルファベットと図形をやりくりしての表現になってます。
車体上部をシャーシにかぶせてみました。
車体前方のピンク色の旗は上坂さんのイメージマークとなっていて、今回のイラストジャケットでも描かれている、革ブロ旗です。
前から見ると、ちゃんと操縦士、副操縦士が見えます。
砲塔の乗務員バスケットが据え付けられる穴から。
副操縦席側をのぞいてみます。写真中央のグレーのボックスは機銃の機関部です。副操縦席から操作するには、狙いをつけられず、かなり大変そうです。M3後期にはこの機銃が取り外されているのもわかる気がします。
車体後部のエンジンブロックに関しては、大きな一つの別パーツにしました。実機では、車体中央がエンジンブロックで、左右の履帯上部はツールボックスのようなブロックで構成されています。外側には、シャベルやトンカチ、斧など戦車備品ではよく見かけるアイテムを設けました。
作例ではそれらを一まとめにし、中に鏡やビロードのホルダを設けたジュエリーボックス風にしています。
全体です。イラストでは実際の機体より背が高い印象があったので、作例も実機のバランスを少し崩したスタイル(シャーシ高さを約15%アップ)にしています。
後部エンジンブロックをひとまとめにしたため、後ろから見ると、かなり大味な外見になってしまいました。
台座ですが、まず丸い段ボールに荒地の写真を貼り付け、その上に上り坂を表現するための台形ボックスを固定。そこに、段ボールに張り付けた荒地テクスチャのがらに合わせて、荒地テクスチャ用紙を貼り付け、あとは周囲の浮いた部分を台座に張り付けたテクスチャ用紙を降りながら、張り付けました。テクスチャが荒地や砂漠など凸凹した地形であれば、この方法で簡単できれいに作れそうです。
文字で書いてもわかりにくいですね(笑)。詳しい解説が欲しいなどのコメントとかがあれば、解説図なり、写真なりを載せようと思います。
なお、戦車や上坂さん立て看の台座への固定は、台座と模型の両方に小型磁石を仕込んで行っています左の写真だと、履帯の上にあるベージュの四角い部品が小型磁石です)。
なので、激しく動かさない限り、外れたりしません。
ジャッケットイラストとの比較です。
イラストでは、手前の上坂さんはもちろん、車体以外の乗員も描かれていたので、そのあたりも立体化しています。
上坂さんはアルバムについていたフォトブック内写真やブログ写真から合成、乗員はネット上での戦車乗員フィギュア写真と上坂さんスタッフの方々の写真(こちらも、革ブロ同盟員と同じライブDVDからキャプチャーしました)を合成しています。
並べてみると、M3のボンネットの見え方が随分違うので、もう少しアレンジを加えるべきだったのかもしれません。
上坂さん手持ちのバイオリンAK47はバイオリンとAK47の写真を使っての立体化です。ちなみに、戦車長はプロデューサさん、砲塔上の少年はマネージャー(初代?)さんです。
イラストでは、主砲は上を向いていますが、作例の戦車は主砲の上下可動ができないため、台座側で上り坂を作り、車体を上向きにすることで、表現しました。
本作は円筒ケースにジオラマの形でライブ会場のプレゼントコーナーに置いてきました。
上坂さんにお気に召していただければよいのですが、こればかりは確認しようがないので、何ともです。

今回の戦車製作では、形や資料がはっきりしている分、シルエットの設計は楽で時間も掛かりません(資料が集まってから2週間くらいでしょうか)。その代わり、ディティールの表現は結構骨が折れました。
ただ、戦車のペーパークラフトで鬼門とされている、履帯の表現にある程度のやり方を見いだせたので、もう少し他の車体も立体化してみたいと思います。
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